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News From Aon

2020年1月22日

 


 気候と大規模自然災害レポート:2019年版を発表

大規模自然災害による2019年の経済損害は、2,320億米ドルを上回り、過去10年の累積損害額は、史上最高へ
天候ボラティリティの高まりが、災害レジリエンスの重要性を浮き彫りに

 

あらゆる分野のリスク、リタイアメント、ヘルスに関するソリューションを世界120カ国で提供するグローバルサービスカンパニー、 Aon plc (NYSE:AON) は、「気候と大規模自然災害レポート:2019年版(Weather, Climate & Catastrophe Insight: 2019 Annual Report)」を発表しました。このレポートは、世界の大規模自然災害の影響を分析することで、そのトレンドを把握し、天候ボラティリティの制御と、災害レジリエンスの強化に資することを目的としています。

2019年は、409件の大規模自然災害が発生し、経済損害は、2,320億米ドルに上りました。この額は、今世紀になってからの年間平均よりも3%少なく、過去10年間の平均を20%下回っています。このうち、民間保険会社と政府管掌保険プログラムが負担した額は710億米ドルで、今世紀の年間平均を6%上回るものの、2017年の1,570億米ドル、2018年の1,000億米ドルを、かなり下回っています。結果として、2019年のプロテクションギャップ(経済損害が、保険でカバーされない比率)は69%となり、2000年以降で5番目に低い年となりました。

この1年間では、10億米ドルを超える経済損害は41件、10億米ドルを超える保険損害は12件でしたが、日本の台風19号(ハギビス)と台風15号(ファクサイ)共に、極めて都市化の進んだ地域を通過したため、保険損害額は、それぞれ90億米ドル、60億米ドルと高額になりました。ぺリルごとにみて、2019年に世界で最も高額な経済損害をもたらしたのは内水氾濫で820億米ドル、続いてトロピカル・サイクロンの680億米ドルとなっています。

2019年は、1851年以来、陸上気温と海上気温が2番目に高い年となりました。特に、フランスは46°C、ドイツは42.6°Cの記録的な猛暑に見舞われました。また、米国では1月から5月の降水量が15.71インチ(399ミリ)に達し、過去最高を記録しています。

Aon Reinsurance SolutionのCEO、Andy Marcellは、「2017年と2018年が連続して巨額な自然災害の年となった後、2019年もいくつかの大規模な災害に見舞われたが、保険・再保険業界は、強固な資本基盤を基に、こうした最近の損害に充分対応することができています。しかし、社会経済の構造変化、気候変動や極端な天候ボラティリティ、といった科学的要因の深刻化との結びつきがさらに進んだ場合、潜在的な経済的負担は増加の一途を辿ることとなります。従って、災害レジリエンスの構築が何よりも重要なのです。」と述べています。

2010年から2019年の10年間は、経済損害の累積額が2兆9,800億米ドルに上り(このうち、アジア太平洋地域が44%を占める)、2000年~2009年を1兆1,900億米ドル上回りました。民間保険会社と政府管掌保険プログラムが負担した額は、8,450億米ドルで、この55%を米国が占めています。

Aonの Impact ForecastingチームでDirectorを務め気象学者でもあるSteve Bowenは、「過去10年の自然災害に関する最も重要なポイントは、おそらく、従来は『セカンダリー・ぺリル』と考えられていた、森林火災、洪水、干ばつなどの災害による損害がより高額となり、大きな影響を持つようになったことでしょう。気候変動がすべての気象現象に影響をもたらし、特に都市化が進む地域への影響を高めていることは、科学的リサーチからも明らかです。民間と公的セクターの双方が科学的知見に基づいた賢明な課題解決に取り組むことによって、物理的リスクの削減と社会全体の意識向上に向けた新たな前進が可能になるでしょう。」と述べています。

 

【上記以外の2019年の重要な災害イベント】

  • 2019年には、米国本土の12か月ベースの降水量が、1895年の統計開始以来、最高を記録、ミシシッピ川流域の河川洪水は200億米ドルを超す経済損害をもたらした。 
  • カテゴリー5のハリケーン「ドリアン」がバハマに数回にわたって上陸した。上陸時の最大風速は時速185マイル(295キロ)で、史上最強といわれた1935年のハリケーン「レイバー・デイ」の記録に匹敵する。
  • モザンビークで、サイクロン「アイダイ」が発生。1,303名の死者を出す深刻な事態となり、30万件の家屋が破壊された。経済損害は20億米ドルに上った。
  • 3月には、ヨーロッパで唯一保険損害が10億米ドルを上回るストーム「エバハルト」が発生、西ヨーロッパと、中央ヨーロッパに被害が及んだ。
  • 11月26日、アルバニアで、52名の死者を出す激しい地震が発生、この年、世界で最も人的被害の多い地震となった。
  • モンスーンのもたらす降雨が中国で150億米ドル、インドで100億米ドル、合わせて250億米ドルの被害をもたらした。
  • オーストラリアでは、数年にわたる干ばつと春から夏にかけての記録的猛暑が甚大な森林火災を引き起こす状況を生んだ。およそ1,820万ヘクタール(4,600万エーカー)が焼失し、2,500軒を超える家屋が損壊した。保険損害は、10億米ドルを超える可能性がある。

Top 10 Global Economic Loss Events

1. 損失見積もり額は今後変更となる可能性があります
2.民間保険会社および政府が後援するプログラムによって被った損失を含む

 

本レポートの詳細についてはこちら(英語版)をご覧ください。
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