Japan

2023年1月25日
 

Aon:2022年の世界の大規模自然災害による保険損害は、史上2番目に高額な保険事故が発生したことにより、1,300億米ドルを超えた

  • 「気候と大規模自然災害レポート」は、世界の大規模自然災害による経済損失が3,130億米ドルに上ったことを示している

  • ​干ばつや熱波の被害が顕著となり、温暖化が進む世界におけるこれらのぺリルの重要性が増している

幅広く専門的なソリューションを提供するリーディングカンパニーのAon plc (NYSE: Aon) は、本日、「気候と大規模自然災害レポート:2023年版(2023 Weather, Climate and Catastrophe Insight report)」を発行しました。このレポートは、ボラティリティを抑制し、幅広くレジリエンスを高めるためのより優れた意思決定をサポートすることを目的として、世界の自然災害と気候変化のトレンドを分析しています。レポートは、このレポートが対象とする12カ月間の大規模自然災害による経済損失が3,130億米ドルに上ったことを示しています。これは、21世紀になってからの平均値を4%上回っています。このうち、1,320億米ドルが保険によって補償されました。

2022年は、世界の保険損害合計額が史上5番目に高額な年となったことをデータが示していますが、このうち、500億~550億米ドルが米国のハリケーン「イアン」(Ian)による損害となっています。ハリケーン「イアン」は、史上2番目に高額な大規模自然災害による保険損害であり、これを上回るのは、2005年のハリケーン「カトリーナ」(Katrina)のみです(インフレ調整後の保険損害額は、1,000億米ドル)。

レポートはまた、世界でおよそ31,300人が2022年の大規模自然災害で命を失ったことを伝えています。12年連続で、平均値を下回っていますが、ヨーロッパの記録的な高温による犠牲者は19,000人を超えており、そのほとんどが熱波によるものでした。

経済損失の多くがまだ保険によって補償されていないことは確かですが、「プロテクションギャップ」は58%であり、過去最低水準にまで改善しました。企業がリスク軽減の努力によりボラティリティを抑制し、保険会社が資本の調達をはかって今まで十分な対応ができていなかったコミュニティへもプロテクションを提供していることを示すポジティブな変化です。

AonのCEOを務めるGreg Caseは、「このレポートは、2022年の大規模自然災害を詳細に分析し、その経済的コストが膨大なものになったことを伝えています。ただ、こうしたデータは、弊社がお客様に対してお役に立てる非常に大きな機会があることを示すものでもあります。拡張性の高いソリューションに向けて共に取り組むことで、リスクの軽減にとどまらず、行政や民間や社会全体の力を結集して、イノベーションを促進し、十分な対応ができていないコミュニティのプロテクションを改善し、経済を強化することが可能になると考えています。」と述べています。

大規模自然災害の発生とともに、テクノロジーの革新による災害の知見が深まり、災害発生後の被害規模の算定はより迅速かつ高度になっていますが、今回のレポートは、気象災害の結果として発生する様々な問題へのレジリエンスや対応力に関しても検証の対象としています。物理的なリスクにとどまらず、たとえば、労働者の健康面などにも焦点を当てており、気候変動が影響するすべての側面に多面的な戦略を立てることの重要性を強調しています。

 

「気候と大規模自然災害レポート:2023年版」が明らかにしたその他のポイントは以下のとおりです。

  • 2022年の大規模自然災害の件数は421件で、21世紀の平均である396件を上回った。
  • 保険損害の75%が米国の損害で、これは平均値の60%を上回った。
  • ウィンドストーム「ユーニス」(Eunice)は、2010年以来最大のヨーロッパにおけるウィンドストームとなり、保険損害は34億米ドルに上った。フランス全土に及んだヘイルストームは、自然災害よる年間損害額をフランスで史上2番目の規模となる69億ユーロ(74億ドル)にまで押し上げる要因となった。
  • 干ばつや熱波がヨーロッパ、米国、中国、その他の地域を襲い、干ばつによる世界の保険損害は史上2番目の規模となる126億米ドルに上った。
  • ラニーニャ現象が3年目に入り、オーストラリアの洪水が過去の損害記録を更新した。シドニーの年間降雨量は過去最高となった。
  • パキスタンのモンスーンによる洪水では、広範囲に人的被害が発生した。パキスタン気象庁による2022年のモンスーンシーズンの記録は、7月から9月の同国全体の降雨量は平均を175%上回ったことを示している。
  • 干ばつと雨期の長期化がそれぞれ異なる地域で発生したラテンアメリカでは、農作物の収穫量が減少した。

AonのCatastrophe Insightのヘッドを務めるMichal Lörincは、「世界で発生した大規模災害による荒廃は、レジリエンスを高めるための災害マネジメントと警戒システムの改善を含むリスク削減戦略をさらに拡大する必要があることを示しています。」と述べています。さらに、「気候変動の影響が世界的に顕著になっていますが、経済的損失をもたらす要因には、社会経済的な側面があり、人口動態や富の配分などが大きく影響していることに変わりはありません。このレポートのデータが、自らの組織のリスク軽減の強化に向けてお役に立つと同時に、世界のプロテクションギャップを縮小し、私たちが生活し、働くコミュニティのプロテクションの改善に向けて役立つことを願っています。」と述べています。

2022年の世界の経済損害トップ10
2022年の世界の経済損害トップ10

レポートの全文とショートビデオが、弊社のサイト(2023 Weather, Climate and Catastrophe Insight | Aon)でご覧いただけます。また、最新のあるいは過去の大規模自然災害データおよび災害分析については、catastropheinsight | Aon にアクセスしてご覧くださいますようお願いいたします。
 

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