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Release From Aon Japan

エーオンジャパン、
既存の太陽光発電所向けに業界初の保険スキームの提供を開始

既存の太陽光発電所の性能・信頼性・安全性評価に基づいた、太陽電池モジュール出力特約付保険プランで、長期信頼性を確保した太陽光発電所の実現・運用をサポート

2017年1月19日 – 世界最大の保険・再保険ブローカーであるエーオングループの日本法人であるエーオンジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:山本 達也、以下、エーオンジャパン)は、太陽電池モジュールの第三者認証機関であるテュフ ラインランド ジャパン株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:トビアス・シュヴァインフルター、以下、テュフ ラインランド ジャパン)、太陽電池モジュール検査サービス等を行う株式会社エヌ・ピー・シー(本社:東京都台東区、代表取締役社長:伊藤 雅文、以下、エヌ・ピー・シー)と共同で、既存の太陽光発電所の評価結果に基づいて、太陽電池モジュールメーカーの出力保証を一部バックアップする、業界初となる保険スキームを開発し、2017年2月よりサービスの提供を開始する。保険については、大手日系損害保険会社が引き受ける。

既存の太陽光発電所の現状とポイント

太陽電池モジュールにおいては、国際規格(IEC 61215 等)に準拠した認証試験に合格することにより、製品の品質が担保されるものとして認知されている。しかし、規格による認証試験は、一定の信頼性確保の一翼を担っているが、太陽電池モジュールの製品寿命に関する長期信頼性評価においては、必ずしも十分ではないと考えられている。認証試験に適合した太陽電池モジュールであっても、実フィールドにおいてはモジュールの一般的な出力保証(メーカー保証)である年劣化率0.7%を超える不具合事例の報告がある。太陽光発電事業の根幹の役割を果す太陽電池モジュールの長期信頼性確保は、今後の想定外の費用支出と、それに伴う実質IRR(Internal Rate of Return)を下げることを回避できる可能性がある。

また、昨今の太陽光発電所においては、太陽電池モジュール以外の周辺機器である、受変電設備やパワーコンディショナ等の不具合、及び不十分な造成による、地盤の変形、架台の強度不足などによる損害が顕在化している。今後は、発電事業者が加入している火災保険の引受条件も厳しくなることが想定されるため、発電事業者は、地所の発電所における安全・信頼性を客観的に評価し、その情報を基に保険会社との交渉を行うニーズも高まると想定する。

一方では、インフラファンドも創設され、太陽光発電所資産の流動化が始まっており、既存の太陽光発電所の売買価格は、将来の売電収入に基づくと考えられる。しかしながら、収入の根幹である太陽電池モジュールは、経年劣化に伴い出力低下が発生するため、現在までの発電量から将来の発電量を予測することは非常に難しいとされ、厳格な評価基準に基づいた精密な評価の必要性が高まってきた。

太陽電池モジュールの欠陥リスクを考える上でのポイント

出力低下が発生し、モジュールメーカーの出力保証を受けるには、その原因が太陽電池モジュールにあることを事業主が立証しなければならないケースがある。しかしながら、将来発生する可能性がある太陽電池モジュールの不具合に備えて、太陽電池モジュールの性能評価を、納品時や引き渡し時、及び引き渡し後に実施していないプロジェクトが多いのが現状である。評価結果次第では、モジュールメーカーに保証履行を請求できる可能性もあることから、現状評価を行うことは発電事業者にとって最重要となる。特に、引渡時にしっかりとした評価を実施出来なかった発電所は、現時点で、太陽電池モジュールを含め、太陽光発電所全体の性能を評価し、把握することが重要となる。

エーオンジャパンの田中康裕マネージャーは、既存の太陽光発電所の現状について次のように語る。「FIT価格が段階的に下がる現状、初期投資額をできる限り抑えたいニーズは依然高い。昨今、太陽電池モジュールのワット単価が50円を下回るケースがでている。この価格下落がイノベーションによるものであればよいが、そうでない場合、将来発生するかもしれないリスクが高まり、予期せぬ費用と想定以下の収益という結果につながりかねない。現在、予想収益を上回る結果がでているからといって、太陽電池モジュール個々が正常に稼働しているとはならない。既存の発電所は、すでに設備が設置されているだけに、容易に改善することが困難なため、より現状把握が重要である。今後増えるであろう発電所の売買も視野に入れ、設置済み太陽電池モジュールの評価を含む発電所全体の評価の重要性を検討する必要がある。評価結果によっては、モジュールメーカーの出力保証が履行されない場合にモジュールの修理・交換費用の一部を補償する、特約付帯火災保険に加入することができる。我々の保険スキームは、発電事業者のコストを増やすことではなく、ライフサイクルコストの適正化と収益の最大化につながると考えている」。

エヌ・ピー・シーはこれまで約3年間、太陽光発電所の現場で太陽電池モジュールのI-V検査やEL検査を実施してきたが、様々な太陽電池モジュールに関わる不具合を検出してきている。使用環境のみならず、施工方法や太陽電池モジュール自体の不具合によるものもあり、太陽光発電所における将来的なリスクの評価は重要であると考える。

既存発電所に対する性能・信頼性評価の実現

エーオンジャパンが新たに開発した当スキームでは、①既存の発電所に使用されている太陽電池モジュールの現時点における性能・安全性評価と発電所全体の簡易評価サービス、②①の評価サービス結果に基づき、モジュールメーカーから保証が得られない場合の、保険によるカバーの二段構えで太陽光発電事業の安定経営を支える。

①の現状評価は、試験所における試験と太陽光発電所における現地検査から構成される。前者はテュフ ラインランド ジャパンが担当し、世界最高レベルの測定技術により、太陽電池モジュールの高精度出力測定を行う。後者はエヌ・ピー・シーが担当し、試験所にて高精度に測定された出力データを基準に用いて、発電所でストリング単位の出力測定を行う。発電所での評価は、全ストリングを対象とした出力測定を行うとともに、太陽光発電所全体の簡易評価(例えば、架台や接続箱等の検査)を行う。これらの現状評価結果から太陽電池モジュールのランク付けを行い、保険条件に反映させる。また、オプションで太陽電池モジュールの長期信頼性・安全性試験や、太陽電池モジュールの主要構成部材の分析評価を行うことにより、経年劣化や安全性の将来予測が可能である。これらを実施した上で、高ランクの試験結果が得られた場合には、保険条件がより有利となる。また、現状評価後には、太陽電池モジュールの定期診断を試験所で行い、出力性能の変化を高精度に把握する。それにより、想定以上の経年劣化が認められた場合、速やかな対応を行うことにより、太陽電池モジュールの欠陥リスクを最小限に抑えることが可能となる。



本サービスについてエーオンジャパン代表取締役社長山本達也は次のように語る。「リスクマネジメントの基本的な概念をベースにできあがった本プランをきっかけに、リスクマネジメントの重要性が理解されるとともに、太陽光発電マーケットへの投資が促進され、日本のエネルギー供給の安定化がより改善される事を期待しています。」

<本サービスに関する一般お問い合わせ先>
エーオンジャパン株式会社
担当: 田中
電話: 03-4589-4137(直)
FAX: 03-4589-4460
E-mail: [email protected]


エーオンジャパンについて
エーオンジャパンは、世界最大の保険・再保険ブローカーであるエーオングループに属し、日本においても多様なサービスを提供しています。日本国内の主要損害保険会社と代理店契約を結んでおり、お客様の多種多様なリスクに対して最適・最良なカバーを提供しています。また、エーオンが誇るグローバルネットワークを駆使し、お客様のために全世界の保険マーケットから最適・最良な保険カバーを探してくることが可能です。エーオングループは世界120カ国/地域(約600拠点)に展開し、約72,000名のプロフェッショナルを抱えています。ウェブサイト:www.aon.com/japan

テュフ ラインランド ジャパンについて
テュフ ラインランドは、140年の歴史を持つ世界でもトップクラスの第三者検査機関です。世界中に拠点を持ち、従業員数は19,600人、年間売上高は19億ユーロにのぼります。第三者検査のエキスパートとして、人々の暮らしのあらゆる面で、品質、安全、環境、テクノロジーを支えています。産業用装置や製品、サービスの検査だけではなく、プロジェクト管理や企業のプロセス構築もサポートしています。また幅広い業種、職種について、専門的なトレーニングも実施しています。こうしたサービスは、テュフ ラインランドの認定ラボや試験設備、教育センターのグローバルネットワークによって支えられています。テュフ ラインランドは、2006年より国連グローバル・コンパクトのメンバーとして活動しています。テュフ ラインランド ジャパン株式会社はテュフ ラインランド グループの日本法人として、1978年から活動しています。ウェブサイト: www.jpn.tuv.com

エヌ・ピー・シーについて
エヌ・ピー・シーは1994年から太陽電池業界に参入し世界中のモジュールメーカーへ太陽電池モジュールの製造装置を提供してきたトップメーカーです。製造装置の技術を生かし太陽光発電所の現場で太陽電池メーカーの工場と同等レベルの高精度な検査ができる検査装置を開発し、検査装置の提供と検査サービスを行っております。この当社独自の検査方法と検査結果の分析力が評価され、これまで100件以上、約315MWの検査実績があり、今後さらに650MWまでの検査サービスが確定しています。太陽光発電所の健全化を図るべく、当社の検査方法をパートナー企業と“ソーラーウェルネス”というネットワークを全国展開しています。検査サービス関連のほかに太陽電池モジュールの製造やリユース・リサイクルの事業も手掛け、太陽電池モジュールが作られるところから、設置稼働、最終的な廃棄まで一貫したトータルコーティネートを目指しております。
東京証券取引所マザーズ市場に上場しております。 ウェブサイト: www.npcgroup.net


<報道関係者お問い合わせ先>

エーオンジャパン株式会社 広報 齊藤
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