Japan

Press Release From Aon 

 

エーオンヒューイット、グローバルにおける社員のエンゲージメントに

関する調査を発表、エンゲージメント・スコアは順調に向上

 

2013年度は『キャリア機会』『業績管理制度』『会社の評判』が
エンゲージメント向上に最も影響を与える要因の上位に

2014年9月5日、東京  - Aon plc (NYSE: AON) のグローバルにおける人事およびアウトソーシング事業部門であるエーオンヒューイットによる最新の調査により、世界の主要な地域において、会社および業務に対する社員の見方やエンゲージメント・レベルが向上している傾向が明らかになった。


エーオンヒューイットが毎年発行しているTrends in Global Employee Engagementレポートの2014年度版によると、2013年度のエンゲージメント・スコアの平均は、2011年度からは3%、2012年度からは1%上昇した61%を示している。この調査結果は、155ヶ国において、6,000社を超える企業の700万人を超える社員から収集した回答を基にエーオンヒューイットが分析を行ったものである。グローバルにおいては、全般的に業務に対する社員の見方の変化も明らかになっている。特に、『安全』『福利厚生』などの領域においては社員の満足度が改善されている(それぞれ+ 6%ポイント、+ 5%ポイント)。一方で、『職場のリーダーシップ(- 4%ポイント)』『イノベーション(- 2%ポイント)』『EVP(Employee Value Proposition=社員にとってその会社で働く価値)(- 2%ポイント)』などの戦略的な領域では満足度に下落が見られる。


「社会、人口構成、テクノロジー、マクロ経済の変化を含む幾多の要因により、機動的かつ革新的な組織を作ることがビジネスリーダーにとっての課題になっている」とエーオンヒューイットジャパンCEOの楠見スティブンは語る。 「エンゲージメント・レベルが高い社員なしにこのような組織を創出することは難しい。特に、社員のエンゲージメント・レベルが平均以下の組織にとってはかなりの困難が予想される。エーオンヒューイットの調査によると、ビジネスおよび人材の課題を効果的に克服してきている組織は、業績志向、魅力的な雇用主としての評判、および強力なリーダーシップなどに根差したエンゲージメント文化の醸成に投資を行っていることが明確になっている。」


また、この調査では、高業績企業(エーオンヒューイットの手法により客観的な指標によって選出されたベスト・エンプロイヤー企業 )は、他社より優れたビジネス上の業績を生み出していることも明らかになった。効果的なリーダーシップ、会社の評判、成果主義志向、そして社員のエンゲージメント・レベルの高さなどを特徴とするこのような企業(ベスト・エンプロイヤー企業)は、売上成長率(+ 6%ポイント)、営業利益(+ 4%ポイント)、TSR(Total Shareholder Return=株主総利回り)(+ 6%ポイント)などの指標で他の企業を上回っている。また、社員のエンゲージメント・レベルだけを見ても他の企業より優れた結果を示している。

 

2013年度エンゲージメント・レベル(地域別)

 

人口増加率予測を考慮すると、エンゲージメント・レベルの上昇率が最も高い地域はアフリカ/中東であった(+ 8%ポイント)。APACにおけるエンゲージメント・レベルは過去2年間において初めて上昇し、グローバル平均である61%に到達した。北米が2012年度の下落から回復(+ 2 %)する一方で、欧州は57%で横ばいとなっている。最も高いエンゲージメント・レベルを示している南米であるが、前年度と比較すると4%ポイント下落の70%となっている。

 

地域 

2012年度 

2013年度 

グローバル

60%

61%

北米

63%

65%

欧州

57%

57%

APAC

58%

61%

南米

74%

70%

アフリカ/中東

53%

61%

 

APACでは過去5年間、社員エンゲージメントの変化とGDP成長率の関係性に時間的なずれが生じているが、これは世界的な傾向とも合致している。この時差は、企業が社員エンゲージメントに関する方針の推進や人材施策への投資を行う場合は一般的な経済状況に合わせて調整するために生じるものである。GDPによって社員エンゲージメントに関する会社の意思決定および一年後のエンゲージメント・レベルをある程度予測できるというこの仮説を裏付けるように、APAC全域における社員エンゲージメントの今後に関する重要な見通しを伴った標準的な傾向がこの調査結果には現れている。

 

日本においては、東日本大震災が発生した2011年度以前は社員エンゲージメントとGDPの変化に1年間の時差が存在した。しかしながら、2011年に変化が現れた。世界銀行の試算によると東日本大震災は史上最も大きな経済的損失を引き起こした自然災害であるが、地震とその後に発生した津波などの災害によってビジネスには深刻な混乱がもたらされた。多くの企業が人材施策に優先して事業の立て直しに注力せざるを得なかった結果、2011年度にはGDPと社員エンゲージメント・レベルの両方が下落した。その後、経済が通常レベルに回復した2012年度にはエンゲージメント・レベルは上昇した。

 

 

ソース: 2013 年度版Trends in Asia Pacific Employee Engagement

 

2014年に発行された2013 Trend in Asia Pacific Employee Engagementレポートによると、社員エンゲージメントについては国によって大きな差異が生じている。日本のスコアは最低の34%、中国と台湾が平均レベルでそれぞれ66%と64%、韓国と香港が少し下がってそれぞれ55%と54%というスコアになった。また、興味深い点として、ベスト・エンプロイヤー企業は各国の平均スコアと比較すると常に20%高い数値を示している。

 

社員のエンゲージメントに影響を与える要因

エーオンヒューイットでは、約3,000社を対象に追加のインパクト分析を実施し、2013年度グローバルにおいて300万人の社員のエンゲージメントに影響を与えた要因のうち上位5つを抽出した。

 

 

旧来と変わらずグローバルにおいて社員のエンゲージメントに最も影響を与えうる要因は『キャリア機会』が第1位で、そのあと『業績管理制度』『会社の評判』と続いている。2012年度に第3位となった『給与』は第4位に下落、『コミュニケーション』が上位5位以内に入った。

 

北米においては、上位3位までの要因がグローバルにおける傾向と一致している一方、『ブランドアラインメント』『認知』が『給与』を上回った。グローバルで第2位の『業績管理制度』はAPACと欧州両地域において第5位となっている。

 

新世紀世代(1980年以降に生まれた)社員のエンゲージメント・レベルが最低を示す

 

ベビーブーム世代の社員が最も高いエンゲージメント・レベル(66%)を示しており、そのあとをX世代(1960年~1970年代に生まれた社員)が続く(60%)。1980年以降に生まれた新世紀世代の社員のエンゲージメント・レベルは最も低くなっている(56%)。   

 

「世界的に見て、地域、文化、世代などの差が社員のエンゲージメントに与える要因に影響を及ぼしていることが分かってはいるが、エーオンヒューイットの調査によると、実際には個別のケースによってそのずれが大きい場合もあれば、小さい場合もある。」とエーオンヒューイットジャパンCEOの楠見スティブンは語っている。「一般的に、社員は、自分にキャリア機会を提供し、貢献に対しては報い、社会的に優れた評判を持つ会社の一員であることを望むものである。しかしながら、全員に当てはまる画一的なソリューションは存在し得ない。つまり、企業にとっては、自社の社員と彼らを動機付けるものが何であるかを理解し、それぞれの対象に応じたコミュニケーションや人事的な取り組みを行うことが必要であり、それによって初めて社員のエンゲージメント向上は実現する。」

社員のエンゲージメントや雇用に関する趨勢は新世紀世代によって方向付けられる。グローバルでエンゲージメントに影響を与える要因の上位4つは、新世紀世代のそれと一致している。『キャリア機会』『業績管理制度』『ブランドアラインメント』『認知』のグローバル上位4要因に加え、APACの新世紀世代にとっては『給与』の優先順位が高く、『キャリア機会』に続く第2位の座を占めている。新世紀世代にとっての『給与』の重要性は、APACにおいては自身の会社への自身の貢献に対して見合った給与が支払われていると考える社員が全体の3分の1に過ぎないという事実を表している。



ソース: 2013 年度版Trends in Asia Pacific Employee Engagement

 

エーオンヒューイットの2013 年度版Trends in Asia Pacific Employee Engagementレポートによると、職場におけるY世代(ジェネレーションY)の人数や影響力が、X世代(ジェネレーションX)やベビーブーム世代の物事の捉え方に影響を及ぼす傾向にある。2014年版においてはさらにこの傾向が強くなり、これらの若い世代にとってはグローバルで上位に位置する他のエンゲージメント要因に加え、『イノベーション』が重要な差別化要因となっていることが明らかになった。 


 
職位別には経営陣のエンゲージメントが最も高く、上昇傾向にある

 

2012年度の結果から変わらない傾向として、エンゲージメント・レベルは職務レベルによって異なっている。グローバルで見た場合、経営陣のエンゲージメント・レベルが最も高く75%(4人のうち3人がエンゲージしている)。また、エンゲージメント・レベルの上昇率で見ても、経営陣に関しては前年比9%ポイントの上昇で最高の数値を示している。経営陣に続くのは中間管理職および初級管理職で、エンゲージメント・レベルはそれぞれ65%、61%となっている。一方で、エンゲージメント・レベルが最も低いのは、エンジニア、弁護士、看護師などの専門職に就いている社員で、その数値は54%を示している(2012年度から1%ポイント下落)。

 

エーオンヒューイットジャパンCEOの楠見スティブンは「私たちの調査結果が示しているのは、社員のエンゲージメント・レベルを押し上げているのは経営陣自身であるということだ。経営層のエンゲージメント・レベルが継続的に向上することで、近い将来には他の階層の社員たちのエンゲージメント・レベルの向上も実現される可能性が高いと予測できる」 と語る。
 

今後の取り組み - 社員のエンゲージメント・レベルを向上させるには

経済、技術、人口、社会などの変化により、ビジネスには現在直面している無限のプレッシャーにすばやく対応することが求められている。企業にとっては、人材のエンゲージメント・レベルを向上させることにより一層の注意を向け、取り組みを強化することが必要になる。社員のエンゲージメント・レベルを向上させるために、エーオンヒューイットでは以下のようなさまざまな取り組みを提言している。


 

  • 昇進の機会を提供する 
    キャリア機会は、社員エンゲージメントに影響を与える重要な要因の一つとしてAPACすべての国において常に上位に位置づけられる。社員の41%が、現在所属している会社からは十分な昇進の機会が与えられていないと考えている。調査結果から、APACにおいてはY世代(ジェネレーションY)を中心に社員エンゲージメントを改善させるためにはいくつかの重要な要因があることが明らかになっている。柔軟かつ明確に定義されたキャリアパスや昇進、異動などの機会を提供している会社は、それ以外の会社と比較して社員のエンゲージメント・レベルが高い。

  •  人材のトレンドを理解する 
    人材戦略を構築するにあたり、ビジネスに影響を与えるグローバル経済やテクノロジーのトレンドを理解することは必要不可欠である。また、多くの場合、社員が会社に期待するものを理解するためには社員の世代および属性別の特徴に関する認識を深めることも重要である。

  • 高い業績を挙げビジネスで成功するために必要な行動にフォーカスする 
    組織は、その社員のためにエンゲージメントのあるべき姿を具体的に定義しなければならない。楠見は、次のように語っている。「多くの社員にとって、敏捷性、柔軟性、スピード、学習および適応能力を身に付けることの必要性は日増しに高まっている。組織は、業績管理、研修と人材開発、および報酬制度などを、社員の成功への意欲とすり合わせることで、エンゲージメントの表れでもある社員の行動を奨励することができる。」
                          
                                                            
  • 強力なEVP(Employee Value Proposition=社員にとってその会社で働く価値)を提示する  
    会社が期待し社員に提供しているものと、社員が会社に期待するものとのずれが大きくなっている。会社の評判がエンゲージメントに影響を与える要因の上位を占めていることは、社員が会社のどの部分に価値を認めているかを暗示している。エーオンヒューイットの調査によると、
    EVPを提示できている会社では、社員は自社のことを肯定的に語り、自社に留ろうとする社員の数も多く、業務上で卓越志向を持つ社員のための職場環境の構築に積極的だという傾向がある。

  • エンゲージメントを重視する文化を形成する 
    組織の健全性は、優れたリーダーシップ、業績重視、会社のブランドと評判に対する社員の見方などによって構築されている。エンゲージメントを重視する文化を形成するために会社が行うべきことは、人員の構成(世代別 / 職種別 / 組織別)を理解し、自社の社員を動機付け、やる気を起こさせるような方策を講じることである。「社員にとっては、福利厚生、安全、ワークライフバランスなどの基本的な人事制度がエンゲージメントを阻害する主要な要因になることがある。正しい基礎作りを行うことがエンゲージメントを重視する文化を形成する最初の一歩となる。APACでは、多くの会社が社員のエンゲージメントを重要視し、職場の環境作りへの投資を増やしているが、このことはアジア地域における慢性的な人材不足が背景にある」と楠見は語る
    。 
     
  • 高いエンゲージメント・レベルを有するリーダーを育成する  
    エーオンヒューイットの調査で、社員のエンゲージメントの向上、維持、低下を左右するのはリーダーであることが明らかになった。リーダーは、組織内で社員のエンゲージメントに影響を与える主要な要因、すなわち、組織の業績目標、給与、認知、社員向けコミュニケーションの種類や頻度、業務プロセス、イノベーションなどについての意思決定を行う。リーダーの決定次第で、エンゲージメントは向上したり、低下したりする。自分自身のエンゲージメント・レベルを高めることができたリーダーは、他の社員のエンゲージメント・レベルを向上させ、会社のブランド文化、評判、あるいは業績を総体的に上昇させることもできる。そして、そのような会社では、エンゲージメントが組織の業績向上にも寄与している。ベスト・エンプロイヤー企業においては人材の活用に長けたマネージャーこそが高業績文化を牽引する鍵となっている。「全般的に見て、ベスト・エンプロイヤー企業のマネージャーたちは、社員により高い成果を引き出すための刺激を与えると同時に業績を管理するために必要な優れたスキルを備えた存在である。彼らは、部下である社員に対して仕事から得られる達成感を得させるやり方を知っている」と楠見は結論づけた。

                             

こちらをクリックするとエーオンヒューイットの2014 Trend in Global Employee Engagementレポート(英語版)をご覧いただけます。

※エーオンヒューイットは、グローバルにおいて35か国でベスト・エンプロイヤー調査を実施している。本調査の結果から、ベスト・エンプロイヤー企業は、グローバルにおいて高い社員のエンゲージメント、雇用主として魅力のある会社のブランド、効果的なリーダーシップ、高い業績を生み出す企業カルチャーという特徴を示していることが明らかになっている。

ベスト・エンプロイヤー調査 - 日本Webサイト
http://www.aon.com/japan/thought_leadership/best-employers/be_home.jsp

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